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「根掛かりカッター」 自作


(2013.12〜)




 

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底物釣りに「根掛かり」は付きものです。


石鯛仕掛けには



を使っています。 

ただ、直径が27cmもあるので小さなバックでは収まりません。


それでも、道糸がナイロン100号ともなると、こんな物では到底切れません 




「クエ」仕掛けの根掛りには、 ずっと 「Daiwa」の「タイムカッター」

  を使ってきました。



「使い捨て」タイプで 1回の切断コストは150円位だった と思います。



ところが、充分に在ったはずの 自宅在庫が・・・

1個も 無い!! 


磯バックの中に残っていたのは・・・わずかに4個だけ・・・・


この製品、ずいぶん前に生産が終了されていて 手に入りません。


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そこで延命策、

この「使い捨て」タイプを・・・ 「使い回し」タイプにして

その都度 回収して 繰り返し使います!


(この裏ワザ は、他の方の発案で 私はマネしただけです)





この回収作業をするためには もう1組の竿とリールが必要ですが、

ロッドケースには「5号の万能竿」を「予備竿」として常に1本入れており、

余分な荷物が増えるわけではないので、問題は有りません。


(2010.秋)




売られている「根掛かり」対策商品



(1)

相模磯研 顧問 佐藤さんが考案した 「スーパーカッター回収型」



「回収用の竿やリールが不要」というメリットがあります。

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(2)

Daiwa「ラインカッターリターン」



これは、Daiwaの発明品ではありません。

この仕組みの考案者は、 ↓ 「M’Sクラフト」です。

M’Sクラフト 回収式根掛りカッター」


(動画の公開日は2009年8月30日)

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(3)

YGKよつあみ「ディープシャーク」



これは、使ったことがありません





「ラインカッターリターン」 カートリッジ だけ 自作




いずれ 「使い回しタイムカッター・裏ワザ」の在庫も底をつきます。

早めに、次世代の「根がかりカッター」を用意しなければなりません。



前出の Daiwaの「ラインカッターリターン」

ひょっとしたら この構造を真似て 同じモノを自作出来る・・かも? と 思って・・

採寸見本に、  現物を、1個だけ購入。…2074円。





しかし、 取扱説明書を読んで ビックリしました。


”” ””                                   ”” ””
「カートリッジは、道糸を1回切ると 2回目は切れなくなります。

御使用の際は、

1回道糸を切ったら、新しいカートリッジに交換してください。

”” ””                                    ”” ””


エッ? ・・・・ 毎回 新しいカートリッジに交換?



なんと・・・カートリッジは、1回コッキリの使い捨て!!


この「専用カートリッジ」、 5個入りで 店頭価格1728円もします。

つまり、「根掛かりを1回切る毎に350円」もの お金を海に捨てる事に。


いくらなんでも ・・・ それは ・・・・ 傷が深すぎ! 




でも、本体を 2000円も出して 既に購入してしまった後・・なので・・・

使いもせず  引き出しの奥に眠らせるのも・・ 腹立たしい・・・!


なので、 とりあえず・・


カートリッジ自体を「使い捨て」から、

「 切断刃だけを交換 して」
「使い回し」できるタイプに する、

独自設計の代替カートリッジを自作します!


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「オルファ社」や「NT社」などの「汎用のカッター替え刃」、

その「替え刃だけ」の交換で済むような構造設計に しました。





素人が考案したカートリッジ品が

大企業Daiwa製品の代替に成り得るか? の可否を検証します。




「Daiwa」のフレームに、自作カートリッジをはめ込みました。




比較的小さなパーツなので、接近しないと判りません。

拡大画像にすると ド素人の稚拙で汚い仕事がバレバレです。・・が、

今更 見栄を張っても手遅れですので、 あえて 恥も晒す ことに! 


カッター替え刃(折り刃)交換方式の部位の拡大です。




カッター刃が、「くぼみ」に収まるように成形してありますから 常に同じ位置にセットされます。

凹凸が識別し易い様にマーカーペンで着色して ・・みましたが・・



カートリッジのベース基材は、「樹脂製まな板 8mm厚」=200円・・ダイソー




Daiwaのカートリッジと比べれば2倍の大きさですが、

あまり小さくしてしまうと 素人には製作しにくい事と

「折り刃交換」の作業性が悪くなりますので このサイズに留めました。




「カッター替え刃(大)」は、10枚入りでも200円ほどで売られていて、

全形1枚には、「7片の折り刃」が付いています。

この「折り刃」を1片づつ使います。

もし、仮に 1回切断する毎に 新しい「折り刃」に交換する、としても

全形10枚入り200円で70回の切断!


と、言うことは・・・


1回あたりの切断コストは? ・・・ 何と わずか 3円!!


これで、ようやく Daiwaの高額カートリッジ購入の呪縛から解放されます。






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根掛かりカッター自作 その (2)


「時限式カッター 回収型 」 自作






 私には、昔ながらの「時限式のカッター」の方式に いまだに未練が有ります。

なぜなら、 廃版のDaiwa「タイムカッター」を、

「使い捨て」から「回収・使い回し型」に改造した裏ワザ方式で

何度も何度も「根掛かり」から脱出した経験と実績に、

愛着も執着も有るからです。


しかし、「クエ竿」さえ、製品カタログから消え去ろうとしている昨今、

「底モノ」の末端備品などに至っては、研究も開発も放棄されたまま。

当然、店頭には 新製品など登場するわけもありません。


そこで、見捨てられたままの「時限式の根掛かりカッター」 を

その仕組みの原点に戻って もう一度、素直に 見直し 

どこでも入手できる市販の原材料だけを用いて、

誰でも 自作できるようなモノに「設計し直せ」ないものだろうか?

と、 素人が背伸びをしました。



材料は、「ダイソー」の100円ものステンレス金具と 市販ボルト類で、



100円金具の既製穴を、そのまま利用できる設計にします。


頼れる 主な近代工具は、手持ちの電動ドリルと電動サンダー だけ、 です。




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早速 製作に着手。 ・・・・・ そして、いきなりの「つまずき」

ベースになる基盤材に鉄板を選んだのが原因でした。


ベースとなる基材に硬い金属板を用いると、

 自前工具では、加工が とても大変で 手間暇が 掛かりすぎ

その上・・失敗も多く、 硬い材料では、複数個の量産も無理・・ です。 


そこで、 素人向きの基盤材として 次に選んだのは?・・

10mm厚の樹脂製の「まな板」! です。 



この「まな板」は樹脂ですが、厚さが1cm 有るので強度は充分!

しかも、穴開けも切断も 素人の自前工具でも 楽ッく・楽ぅ〜!




裏側には、素早く最深部まで沈むように「オモリ」を背負わせます。



もう一つの利点、

この時限カッター方式で使用する「切断刃」は?・・

前出の「daiwaリターン用の自作カートリッジ」では使わない・・「端っこ」



の、 「赤丸」部分。 つまり、「残り物」です。 無駄が出ません。


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(ヒント) 電動具


例え安物でも、電動のサンダーを1台持っているだけで  自作作業の強力な助っ人になります。

これ1台で、無理そうに思える 硬いカッター刃の加工も可能に。



「穴を開けられる・切断できる・削れる」・・電ドルとサンダー無しに、

試作や自作は 無理です。


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100号ナイロン道糸の切断のためには、

切断刃を一気に回転させる 強力なバネが必要です。

ところが、バネは 大きなホームセンターでも品揃えが貧弱な分野で、

千円を超す高額の上、適合する寸法の品は まず有りません。


だったら、仕方がない・・・無いモノは自分で作るしか・・


比較的反発力の有る1.8mm硬質ステンレス線を巻いて作ります。






この 自作「時限式カッター・回収型(汎用替え刃交換タイプ)」は、

本体を「根掛かり」などで 失なわない限り、 切断刃の交換だけで繰り返し使えます。


替え刃は、「汎用のカッター替え刃」から 1枚しか取れませんが。

前出のとおり 全形10枚入りで200円程度ですから、

切断ごとに交換しても、1回の切断コストは 20円 で収まります。




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切断能力 実証・実験



両方の切断方式でナイロン100号の道糸を 実際に切ってみました。


まずは、「daiwaリターン・カートリッジ自前タイプ」です。


スパッと 一発で綺麗に切れました。



ところが!

この「Daiwaの、(すでに店頭に出回っている)市販製品」には・・

その設計構造上に、 重大で深刻な欠陥が潜んでいました。


回収型ですから、カッターは もう1本の竿の道糸と繋がっています。

この回収用の竿の操作次第 = 「道糸の出し方・張り方」で、

切断刃が、「むやみ」にクエ竿の道糸と接触しやすく、

100号ナイロンラインを削ったり傷つける「副作用」が有る! ことです。



実際、実験中の短い道中でさえも

100号ナイロンをズルズル削る事件・事故が頻繁に発生。

まるで、「とろろ昆布」の削りだし作業!


この欠陥は致命傷です。 何回やっても この症状は付きまといました。

あまりにも愚かしく お粗末です。  こんな「御座なり」な設計のままで、

よくも 商品販売に踏み切ったものだ・・・と呆れてしまします。




しかし、ナイロン100号の切断能力は、実証出来た有効な方式 なのですから、

滑落時における切断刃と「道糸」の接触を回避して

切断する道糸を保護する 何らかの「手」を見つければ良いわけで・・・ 


引き続き・・・解決のための独自の検討は続けます。



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一方、

「時限式カッター 回収型」は?


水中実験




↑(上) 切断前。   ↓(下) 切断完了。




約30秒後、ボール紙の崩壊と共に・・ 100号のナイロンが切断されました。





ただ、この構造上 


「現地の磯での切断刃の分解・交換」作業は無理です。


じゃあ、って 本体を何個も予備に持って行ったのでは意味が有りません!


しかし、 ・・・ もし! もしも! ですョ・・

もしも!、 「1枚のカッター刃」で「複数回の切断」 が 出来れば ・・

そんな心配も、「取り越し苦労」 に なります !


そこで、

同一刃で、何回までなら100号ナイロンを 繰り返し切断できるのか?

また、出来なくなるのか?   を、知りたくて   実験を続けました。





7回目付近まで・・は、 やりました ・・・ 劣化なく同じように 綺麗に切れます。


が ・・ 7度目あたりで・・・ 回数を数えるのも含めて もう 飽きちゃいました・・


経験上、1日で そんなには「根掛かり」、 って ・・ しないし、

もう・・・良いんじゃ ない?・・ か?・・ って


本体を2個持っていけば、充分・・と考えるのですが・・。



それにしても、 仮に 「1枚の刃で5回の切断が可能」、として

1回の切断コストは? 4円 に!・・ 


価格破壊!


但し、 切断・回収後、素早く 真水(飲料水)等を振り掛けて

塩分を除去・洗い流す防錆作業を毎回怠らないこと、が必須条件です。


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「時限式カッター」 一部基本仕様変更 (2014年 5月)





「時限式カッター」 ・・・ 実際に磯で、「根掛かり」を 切ってみました.


滑落過程での不備、糸がらみ、など 実戦上の不具合が見つかりましたので、

本体の「吊り元位置」・「オモリの背負わせ方」・道糸スライド「溝形状」など

数か所に変更を加えました。





100号ナイロンの「結節位置まで、スムーズに 素直に落ちていく!」

たったこれだけの事ですが、使う度に、何らかの課題が見つかります。

まだ まだ!考えが浅いし・甘い・・・、考察・検討を 続けます



2013.12



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根掛かりカッター自作  その (3)


2017年 「回収型ラインカッター」 オリジナルバージョン






「ディープシャーク」を意識して 作ってみました。




元材は、100円の「L型金具」(手持ち在庫品)と M4ロングボルト。


 


部材は? ・・・ ↓ たったの これだけ!





思いッ切り 「単純な構造」 なので、

「サンダー」と「切断砥石」、金具を挟む「小型の万力」 の3点が有れば、

誰でも「自宅での自作」が可能です。





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ところが、この「100均の L型金具」・・ 現在(2017年)には すでに廃盤でした。



仕方なく、ホームセンターへ 「似たようなモノ」 を探しに・・・




サイズは OKです。 ・・・が ・・

440円も取られました。 この購入時点で自作原価が 一気に4倍・・・



では、 これを完成形にするのに必要な すべての金属加工とは?



(1) 金具先端の一部を切り離す。

(2) 中央にスリットを切り込む  。

(3) ボルトを曲げて切る     。


この3項目のみです。



後は組むだけ!




替え刃交換も・・・ ビス2本を緩めて 「折り刃」を差し込むだけ! カンタンです。



L型金具やネジ類を含めた製作総費用は、600円くらい でした。




道糸からの脱落防止部品は 「金具」を止め、 代わりに 「結束バンド」を使いました。


その理由とは?

金具を「イチから作る」のが面倒臭い事と、

この箇所には「チカラ」が掛からないので、強度が必要ない からです。


結束バンドは、切断ごとの「使い捨て」ですが 1回の費用は1円未満です。





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切断刃」は、「OLFAの特大H」を使います。 5枚入りで298円でした。

全形1枚に6片の「折り刃」が付いていますから・・1箱で30片。

1片当たり10円です。





この切断刃は、 おそらく 複数回の連続切断に耐えられる、 と考えますが、

たとえ、毎回新品刃に交換したとしても、1回の切断コストは?


「切断刃」と「脱落防止・オモリ止め兼用の結束バンド」込みで 総額11円です。



Daiwaの「ラインカッターリターン」の切断コストが

1回に350円も掛かる 乱暴さ 法外さ と比べれば・・・ 「タダ」 みたいなものです。




残念ながら、 私は 「ディープシャーク」の実物を 一度も見たことが無いので、

ソレよりも 小さいのか?大きいのか? 軽いのか?重いのか? も 判りません。




(2017年10月)



            



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